むかしむかし、津がまだ安濃津と呼ばれてる頃のお話、平冶とゆう漁師がおったそうな平治は町でも有名な親孝行の漁師じゃった。平治はおっかさんと二人暮しじゃつた、平治はよう働きました、おっかさんもそんな平治が大好きじゃった、ところがある秋の頃おっかさんが、ふじの病にかかったそうな、平治は薬草やせんせいに見てもらったりして、一生懸命おっかさんの病を治そうと走り歩いたそうな、そのころ病に良いとゆわれる魚があったそうな、しかしその魚は伊勢神宮に奉納される魚で禁漁になっていたそうな、だんだん元気が無くなっていくおっかさんを見て、とても辛かった。そしてある夜とうとうその魚をとりに漁にでてしまったんじゃった、その魚を持ち帰りおっかさんに食べさせたそうな、おっかさんは、少し元気を取り戻したそうな、平治も、それからも一生懸命働いたそうな、そんな時に平治が禁漁の魚をとったことが、お役人様に見つかったそうな、平治は禁漁の魚をとった罪で、かわいそうに罰を受けたそうな、おっかさんは漁から帰らぬ平治を探しに浜辺までいったそうな、そこには、波際に打ち上げられた船と、平治のかぶっていたカサだけが、さみしく風に吹かれていたそうな・・・
今も親孝行な息子のお話にちなんで、津名物「平治せんべい、平治最中」が庶民にも愛されております。 |